トヨタ自動車の経営成績を「1台100万円」のクルマにたとえると?
トヨタ自動車は日本一の企業であり、自動車メーカーとしては世界トップだ。自動車販売(売上計上882万台)と金融事業(割賦債権買取・車両リース)による売上高は40兆円に迫る。販売管理部門にプラスして製造ラインを加えたグループ全体の人件費は約4兆円である。4兆円は同業のマツダやSUBARUの売上高を上回る水準だ。
トヨタ自動車の決算数値
21年3月期 | 22年3月期 | 23年3月期 | |
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売上高 | 27兆2145億円 | 31兆3795億円 | 37兆1542億円 |
売上計上台数 | 764万6105台 | 823万425台 | 882万1872台 |
人件費 | 3兆2812億円 | 3兆5508億円 | 3兆9855億円 |
研究開発費 | 1兆904億円 | 1兆1242億円 | 1兆2416億円 |
営業利益 | 2兆1977億円 | 2兆9956億円 | 2兆7250億円 |
純利益 | 2兆2452億円 | 2兆8501億円 | 2兆4513億円 |
そこで、「1台当たり」に置き換えてみたのが次の表である。トヨタ自動車は21年3月期、22年3月期、23年3月期と、売上単価を増額させてきた。1台ごとの販売価格をアップさせてきた。原材料や人件費のアップなどもあるが、高いクルマがうれるようになったということだ。ただし、営業利益と純利益は右肩上がりとはいかなかった。それでも1台当たり約45万円の人件費や14万円に相当する研究開発費を投じても、1台販売するごとに30万円強の最終利益(純利益)を実現していたことになる。
営業成績を「1台当たり」に置き換えてみた
21年3月期 | 22年3月期 | 22年3月期 | |
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売上単価 | 355.9万円 | 381.2万円 | 421.1万円 |
人件費 | 42.9万円 | 43.1万円 | 45.1万円 |
研究開発費 | 14.2万円 | 13.6万円 | 14万円 |
営業利益 | 28.7万円 | 36.9万円 | 30.8万円 |
純利益 | 29.3万円 | 34.6万円 | 27.8万円 |
トヨタのおもな経営指標を1台1oo万円のクルマにたとえれば、より身近に把握することが可能になる。たとえば、100万円当たりの原価・経費合計は90万円台前半である。トヨタといえば、「原価削減」に注力していることで知られるが、人件費や研究開発費、販売経費などを含めると100万円につき90万円強はかかってしまようだ。
ちなみに、トヨタ自動車の購入者は、100万円につき10万円強の人件費を負担していることになる。
トヨタ自動車の決算を1台当たり100万円のクルマにおきかえてみたら
21年3月期 | 22年3月期 | 23年3月期 | |
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原価・経費 | 91.9万円 | 90.5万円 | 92.7万円 |
うち人件費 | 12万円 | 11.3万円 | 10.7万円 |
うち研究開発費 | 4万円 | 3.6万円 | 3.3万円 |
営業利益 | 8.1万円 | 9.5万円 | 7.3万円 |
純利益 | 8.3 | 9.1 | 6.6 |
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