サイゼリヤはコロナ禍による赤字転落からは復調途上といったところだ!
イタリアンチェーンのサイゼリヤは、10月12日に22年8月期決算を発表した。外食の勝ち組企業サイゼリヤも、コロナ禍の直撃を受けた企業だ。
表にあるように20年8月期は、グループ全体で営業利益、経常利益、当期純利益のすべてが赤字だった。売上高が1268億円と、前期の1565億円から19%ダウンだったことが最大の要因だ。20年春先には、1回目の緊急事態宣言が発出されている。
21年8月期は、経常利益と当期純利益が黒字に転じた。時短営業による補助金収入や雇用助成金があったためだ。
22年8月期は、売上高も回復傾向を示し、わずかばかりとはいえ、本業による儲けを示す営業利益が黒字化(19年8月期の営業利益は95億円)した。経常利益と当期純利益の黒字幅は拡大である。
サイゼリヤといえば、商品単価が安価なことで驚かされるが、原価率は37%前後である。1,000円のメニューにつき、370円前後といったところだ。
■サイゼリヤの主な経営指標
20年8月期 | 21年8月期 | 22年8月期 | |
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売上高 | 1268億円 | 1265億円 | 1442億円 |
原価率 | 37.3% | 36.6% | 36.8% |
営業利益 | -38億円 | -22億円 | 4.2億円 |
営業利益率 | -3.0% | -1.7% | 0.3% |
経常利益 | -20億円 | 34億円 | 144億円 |
当期純利益 | -34億円 | 17億円 | 56億円 |
サイゼリヤが復調途上であることは、1店舗1日平均の売上高や集客力でも明らかである。全店舗数は「1517→1553→1547」という推移。国内は横バイ、海外は増加というのが大きな流れで、国内店舗数は「1089→1089→1069」、海外店舗数は「428→464→478」である。
■サイゼリヤの国内外店舗の平均売上高と集客数
20年8月期 | 21年8月期 | 22年8月期 | |
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連結年間客数 | 1億8413万人 | 1億7968万人 | 1億8746万人 |
客単価 | 689円 | 704円 | 769円 |
1店舗1日平均売上高 | 22.9万円 | 22.3万円 | 25.5万円 |
◆国内店舗 | |||
1店舗1日平均集客 | 324人 | 290人 | 332人 |
国内客単価 | 739円 | 746円 | 779円 |
1店舗1日平均売上高 | 23.9万円 | 21.6万円 | 25.9万円 |
◆海外店舗 | |||
1店舗1日平均集客 | 353人 | 378人 | 331人 |
海外客単価 | 568円 | 627円 | 745円 |
1店舗1日平均売上高 | 20.1万円 | 23.7万円 | 24.7万円 |