スポーツ用品関連企業の従業員給与ランキング
東京五輪や北京の冬季五輪は、コロナ禍での開催とあって盛り上げに欠け、関連商品の販売など「オリンピック効果は薄かった」というのが、スポーツ用品関連各社の共通認識のようだ。
「オニツカタイガー」などのランニングシューズを手がけるアシックス(7936)は、東京五輪のスポーツ用品カテゴリーにおける国内最高位スポンサー「東京2020ゴールドパートナー」になっていた。ただし、古本街からスポーツ用品店街へ変貌している東京・神田の各ショップを訪れる客は、休日ともなると途切れることはない。同地区にはスポーツ用品製造・販売のミズノ(8022)が東京拠点を構えているほか、シューズ販売のABCマート(2670)も大型店舗も出店している。
3密回避で人気の高まるゴルフ用品
コロナ禍での〝3密回避〟もあって人気が高まっているゴルフ用品の販売が伸長。ランニング用品やアウトドア関連商品も売れ筋だという。
アルペンが運営しているゴルフ専門ショップ「ゴルフ5」の1店舗1日平均売上高は114万円(21年6月期)。前年同期の98万円からは10万円を超す増額である。ゼビオHDの「ゴルフパートナー」は約50万円。ヒマラヤのゴルフ店は100万円強である。
ゴルフ用品やアウトドア商品の好調な販売もあって、決算的にもスポーツ用品メーカー・卸・小売店の業績は、回復傾向にある。ゴルフに特化したeコマース事業を手がけるゴルフダイジェスト・オンライン(3319)も、ゴルフ場予約事業・ゴルフ用品販売事業が好調に推移しているという。
スポーツ用品関連会社従業員年収トップ10
スポーツ用品関連上位10社の従業員給与のランキングを見てみよう。平均給与トップはシマノ(7309)だ。自転車レース最高峰のツール・ド・フランスのテレビ放映では、必ず社名が出てくるように、同社は変速機など自転車部品世界最大手である。
シマノとアシックスが700万円台。タイヤが主力でゴルフクラブなども手がけるブリヂストン(5108)と住友ゴム工業(5110)、釣具とゴルフクラブなどのグローブライド(7990)などが600万円台だ。
従業員数が1万人を突破しているブリヂストンや7,000人台の住友ゴム工業は、製造現場の従業員を含めた平均値である。経営幹部を目指す社員などを中心に、1000万円を超す年収を得ている人材は少なくないだろう。
アルペン、ゼビオHDなど店舗運営各社の平均給与は400万円台とどまる。ABCマートは300万円台である。メーカー・卸に比べると平均給与は下回る。およそ3,800社の上場企業の平均値は600万円強である。
アルペンやゼビオHD、ヒマラヤは人件費総額を開示している。売上高の13%から14%相当する金額だ。つまり3社の店舗で1000円の商品を購入したとして、130円から140円の人件費負担分が含まれているとということ。原価は600円前後である。
■スポーツ用品関連会社の従業員年収推移
社名 | 前々期決算期平均給与(万円) | 前期決算期平均給与(万円) | 従業員数(人) | 平均年齢(歳) | 平均勤続年数(念) | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | シマノ | 806.3 | 787.6 | 1,442 | 39.9 | 14.1 |
2 | アシックス | 768.6 | 778.8 | 998 | 40.7 | 13.1 |
3 | ブリヂストン | 728.2 | 685.7 | 14,858 | 40.4 | 14.3 |
4 | デサント | 591.2 | 661 | 34 | 42.0 | 12.9 |
5 | グローブライド | 668.7 | 658.1 | 803 | 42.8 | 14.5 |
6 | 住友ゴム工業 | 667.7 | 642.7 | 7371 | 40.8 | 15.9 |
7 | ミズノ | 602.8 | 618.4 | 1,743 | 43.0 | 18.7 |
8 | ゴールドウイン | 681 | 607.2 | 1,110 | 44.5 | 17.3 |
9 | ゴルフダイジェストOL | 580.4 | 576.4 | 382 | 38.2 | 7.8 |
10 | 藤倉コンポジット | 549.3 | 524.4 | 737 | 40.4 | 13 |