ドン・キホーテ各店の1日平均売上高は?
現在、最も勢いを感じさせられる小売店のひとつが、ディスカウントショップ「ドン・キホーテ」だ。運営するのは、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)である。PPIHの売上高ランキングは、小売業4位。セブン&アイ・ホールディングス(セブンイレブン)、イオン、ファーストリテイリング(ユニクロ)に次ぐ。24年6月期は2兆円突破を予想している。
PPIHは、東海地方を拠点とする総合スーパーのユニーを子会社化し、赤字体質だったユニーを黒字に転換している。ユニーが展開する「アピタ」と「ピアゴ」は、ドン・キホーテのグループ店舗である。
PPIHの主な指標を見ておこう。ドン・キホーテの売れ筋は、食品、日用雑貨品、時計・ファッション用品、家電製品、スポーツ・レジャー用品の順だが、トータルすれば1000円の商品の原価はおよそ700円(売上原価率)。店舗経費や人件費などを負担すると、1000の商品を販売するごとに50円前後の利益(売上高営業利益率)を叩き出している。
最終利益と呼ばれる純利益の売上高に対する比率(売上高純利益比率)が、売上高営業利益率を大きく下回らないのは、財務体質が健全であることを示しているといえるだろう。
利子をつけて返済しなければならない「有利子負債」は売上高の30%レベル。創業からの利益の蓄積を示す「利益剰余金」は、5000億円に迫ってきた。老舗百貨店の三越伊勢丹ホールディングス(1700億円弱)や高島屋(約3000億円)を上回る。
注目すべきは、土地資産が3000億円台ということ。土地持企業なのだ。
■PPIHの主な指標
22年6月期 | 23年6月期 | |
1兆8312億円 | 売上高 | 1兆9367億円 |
70.3% | 売上原価率 | 69.0% |
4.8% | 売上高営業利益率 | 5.4% |
3.3% | 売上高純利益率 | 3.4% |
391億円 | 納税額 | 319億円 |
100億円 | 自社株配当金 | 107億円 |
5870億円 | 有利子負債 | 5794億円 |
4280億円 | 利益剰余金 | 4833億円 |
3147億円 | 土地資産 | 3181億円 |
699店舗 | 総店舗数 | 722店舗 |
1店舗1日平均売上高はどうか。大型店(メガドンキ)ともなれば、1000万円を突破しているが、国内ドン・キホーテの平均は600万円台である。海外店舗の伸びが目立つ。
■PPIHの店舗別概要
22年6月期 | 23年6月期 | ||
1店舗1日平均売上高 国内 620万円 | ドン・キホーテ468店舗 | 1店舗1日平均売上高 国内 638万円 | ドン・キホーテ486店舗 |
1店舗1日平均売上高 国内 865万円 | 総合スーパー136店舗 | 1店舗1日平均売上高 国内 873万円 | 総合スーパー131店舗 |
1店舗1日平均売上高 海外 776万円 | 95店舗 | 1店舗1日平均売上高 海外 824万円 | 105店舗 |
ピンバック: 図解!業界地図2024年版 – media2~メディア通