業界地図決算

「ユニクロ」の1店舗1日平均売上高は?

カジュアル衣料チェーンの「ユニクロ」と「ジーユー」を展開しているファーストリテイリング(9983)は先頃、22年8月期の年次決算を発表した。世界的なヒット商品に育てたヒートテック(2003年発売開始)やエアリズム(2012年発売開始)を販売して、どの程度の利益を実現しているのだろうか?

本業による会社の儲け(営業利益)は、「売上高-原価(仕入代金など)-販売費及び管理費(人件費や広告宣伝費など店舗と本部の運営に関する費用:本書では「経費」としている)で求める。

ファーストリテイリングが擁する人員は、パートを含めて11万人強。人件費総額は3000億円前後である。売上高を増やすことで、売上高に占める割合を一定水準でキープ。原価率を含めれば、ユニクロやジーユーの「人件費比率+原価率」は60%台である。店舗で販売されている1000円の商品にたとえれば、「原価+人件費」は600円強に相当していることになる。

売上高営業利益率は「7.4%→11.6%→12.9%」。

1000円の商品を売るごとに、およそ130円の利益を実現するようになってきた。

ファーストリテイリングの主な経営数値
20年8月期21年8月期22年8月期
売上高 2兆88億円2兆1329億円2兆3011億円
原価率  51.4%49.6%47.5%
人件費 2775億円2853億円3186億円
売上高人件費率13.8%13.3% 13.8%
売上高地代家賃比率2.6%2.9%3.4%
売上高物流費比率4.6% 4.2%4.0%
売上高広告宣伝費比率3.4%3.1%3.4%
売上高販管費比率40.1%38.3%39.1%
営業利益1493億円2490億円2973億円
当期純利益903億円1698億円2733億円
売上高営業利益率7.4%11.6%12.9%
売上高当期純利益率4.4% 7.9%11.8%

ファーストリテイリングが運営する「ユニクロ」の国内各店は、どの程度の売上高をマークしているのだろうか。

大型店も小型店もあるが、平均すれば1店舗1日平均「242万円→240万円→227万円」というのが直近3期の推移である。ユニクロ事業は海外が主力になり、店舗数も売上高も国内を上回るようになっており、利益水準も国内を上回るようになってきた。1店舗1日平均売上高は国内を下回っているが、右肩上がりで、国内店舗水準に近付いている。

ジーユー各店の1日平均売上高は150万円台といったところだ。

1店舗1日平均売上高
20年8月期21年8月期22年8月期
国内ユニクロ242万円240万円227万円
海外ユニクロ160万円169万193万円
ジーユー154万円155万円150万円
店舗数
20年8月期21年8月期22年8月期
国内ユニクロ813810809
海外ユニクロ143915021585
ジーユー436439449
店舗合計363035273562

(鎌田正文)

業界地図2023年版

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です