日本の給料

自動車メーカー主要各社の従業員年収ランキング

自動車メーカーなどで構成されている「自動車工業会」によれば、関連就業人口はおよそ550万人という。主要各社の従業員年収ランキングも確認しておこう。

 20年度ベースでいえば、トヨタ自動車の除いた完成車メーカーでは、ホンダ(7267)、日産自動車(7201)、いすゞ自動車(7202)の3社が700万円台である。ホンダと日産自動車は800万円台で推移していたが、21年3月期は700万円台にダウンした。

スズキ(7269)、三菱自動車(7211)、SUBARU(7270)、日野自動車(7205)、マツダ(7261)は600万円台での推移である。SUBARUは男性・女性別の平均年収を開示しており、女性社員は男性社員に比べて150万円ほど下回っているようだ(表の参考欄を参照)。

今回表にした89社のなかで従業員平均年収トップだったのは、ソニーグループ(6758)である。同社はホンダと提携して電気自動車(EV車)の開発に乗り出す。グーグル(アルファベット)やアマゾン・コムなど米国のIT大手も参入し、自動車業界の競合は新たなステージに突入していることは明らかであり、ソニーグループも自動車業界に旋風を巻き起こすのだろうか?

ランキング2位のENEOSホールディングス(HD/5020)を筆頭に、コスモエネルギーHD(5021)、出光興産(5019)の石油元売3社も上位にランクインしている。〝脱炭素〟〝脱化石燃料〟の流れが必至の状況下、高給を維持するためにもガソリンに代わる〝売れる商品〟の開発が課題になる。

ランキング3位の日立製作所(6501)は自動車部品も主力事業としており、参考欄に記述したホンダ系の部品会社ケーヒン、ショーワ、日信工業の3社を吸収し、日立Astemoをスタートさせている。

トヨタ自動車関連では豊田自動織機(6201)、愛知製鋼(5482)、デンソー(6902)が700万円台での推移である。いわゆる〝トヨタ系列〟を代表するデンソーは右肩下がりで、アイシン(7259)も700万円を割り込んだ。

車載用マイコンが主力のルネサスエレクトロニクス(6723)や自動車用組み電線(ワイヤーハーネス)世界トップ級の住友電気工業(5802)、ブレーキ製品の日清紡HD(3105)、ドアロック関連の三井金属(5706)が700万円台だ。EV車用のモータで注目を集めている日本電産(6594)は、600万~500万円台での推移である。

タイヤメーカーではブリヂストン(5108)、住友ゴム工業(5110)、横浜ゴム(5101)が600万円台、TOYOTIRE(5105)は500万円台だ。

 89社の平均は、19年度695万円に対して、20年度は667万円だった。コロナ禍などの影響を受けて経営成績が振るわなかったことから、20年度は28万円のダウンだった。実際、増額だったのは7社にすぎない。多くの企業は業績連動型の給与体系にシフトしており、賞与の増減が平均給与に大きく反映するようなったこともマイナス幅拡大の要因である。業績が回復基調の21年度は、平均年収も上向くと想定される。

従業員平均年齢は40歳前後、平均勤続年数は20年弱である。

■自動車関連企業の従業員年収ランキング
企業名16年度17年度18年度19年度20年度平均年齢
1ソニーグループ910.61013.61050.91057.1104442.2
2ENEOSHD1105.61212.51204.71129.61035.444.8
3日立製作所 849.8 871.5894.3902.6 890.242.6
4コスモエネルギーHD768.1760.6891.4 928.6884.543.2
5東芝710.5815.5915867.5866.545
6三菱重工業   842.9845.1848867.9859.841.3
7GSユアサcorporation1136.81129.11010877.4856.855
8出光興産 853.4954.6970.5911.4855.643.1
9トヨタ自動車住友電気工業851.8831.9851.5865.8853.340
10ホンダ 776.1808.6819.8816.8798.944.9
11日産自動車816.4818.4 815.4810.2796.541.6
12三菱電機 795.7792.4816.9806.9796.340.7
13ルネサスエレクトロニクス761.6892804773.4791.946.9
14住友電気工業79480480880377841.7
15豊田自動織機790.5795.2813.9810.4769.441