5大商社の稼ぎ頭の事業は?
三菱商事(8058)、三井物産(8031)、住友商事(8053)、伊藤忠商事(8001)、丸紅(8002)の5大商社の稼ぎ頭はそれぞれです。17年3月期における各社の事業別の取込み利益額のトップを確認してみましょう。
三菱商事は豪州での原料炭事業、三井物産は豪州での鉄鉱石事業、住友商事はジュピターテレコム事業、伊藤忠商事は中国CITICとの共同事業関連、丸紅が海外電力事業による利益が最も多かったとしています。
三菱商事の場合、鉄鋼製造の材料となる原料炭を扱っている豪州原料炭事業が、16年3月期は価格の下落にともない571億円の赤字に転落したこともあって、グループ全体でも1493億円の赤字を計上しました。
しかし、17年3月期は一転して、豪州の原料炭事業は大幅黒字を計上。同事業からの利益取込み分1271億円を含め、グループ全体の最終損益は4402億円の黒字に転じています。
それにしても三菱商事が、豪州に資源関連の子会社MDPを設立したのは1968年。2001年には約1000億円を投じて、資源メジャーのBHPビリトンと合弁で、世界最大級の原料炭生産企業のBMAをスタートさせています。
先見の明がある投資でした。
いいことばかりではありませんが、世界の投資家から三菱商事や三井物産などは資源企業と見られるのはこのためです。
■5大商社の稼ぎ頭(17年3月期)
三菱商事
- 豪州での原料炭事業
- 取込み利益額1271億円(前年度△571億円)
- グループ純利益4402億円
三井物産
- 豪州での鉄鉱石事業
- 取込み利益額1029億円(前年度747憶円)
- グループ純利益3061億円
住友商事
- ジュピターテレコム事業
- 取込み利益額349億円(前年度287億円)
- グループ純利益1708億円
伊藤忠商事
- 中国のCITICとの共同事業関連
- 取込み利益額629億円(前年度404憶円)
- グループ純利益3522億円
丸紅
- 海外電力事業
- 取込み利益額409億円(前年度512億円)
- グループ純利益1553億円